クオリアメルマガ

冬のアウターと言えば・・・


寒い冬のアウター…特に男性の皆さんは、どちらのブランドのアウターを選びますか?




アウトドアブランドのアウターであれば「ザ・ノース・フェイス」を選ぶ方も多いのではないでしょうか。
今回は、ここ数年で超人気になった「アークテリクス」に注目してみたいと思います。




アークテリクスは1991年にカナダで誕生した本格派のアウトドアブランドです。古代に生息した“始祖鳥の化石”のロゴマークでお馴染みのブランドです。実際に2年ぐらい前から在庫や入荷の問い合わせが増えたそうで、金額は非公表のようですが、コロナ影響がまだ残る環境下にもかかわらず、2022年の国内販売額は過去最高を記録したそうです。




私から見たアークテリクスというブランドの最大の特徴は、とにかく“いいお値段”であるということです。例えば、ノースフェイスなどの有名アウトドアブランドと比較しても値段が高く、ゴアテックスの高機能素材を用いた防風防水シェルは廉価版でも大体5~6万円、本格仕様だと8~12万円程度はします。そんな本格派の高級アウトドアブランドが、飛ぶように売れているというのです。店頭に並べばすぐに売り切れるほどの人気ぶりで、公式のオンライン通販も多くの商品が完売、品薄状態が続いているそうです。




名古屋にも店舗があるので商品はよく目にしますが、街を歩いていても始祖鳥マークのアウターやバックパックを持つ人は多い気がします。高い品質・機能性と無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが特徴で、山岳ガイドをはじめ、登山やクライミング、大自然の雪山を滑るバックカントリーなどの熱心な愛好家から高い支持を集めているブランドでもあるようです。




安価なファストファッションに押されて不振が続くアパレル業界の中では、なんともうらやましい状況ですよね。では、どのような人たちが購入をしているのでしょうか?




実はこの人気を牽引するのは20~30代の若い世代の男性です。そんな若い世代の人たちは、アークテリクスのジャケットやシェルを着て登山に出かけるわけではなく“ストリートファッション”として購入しているのです。実際に客層もここ数年で変わったようで、元々は本格派アウトドア用品なので「経済的に余裕があり、登山など本格的なアウトドアを趣味とする40~50代の男性」が購買層だったそうですが、アークテリクスの想定の層とはいい意味でズレてきているわけですね。




近年、アウトドアブランド自体がファッションとして若い男性を中心に浸透してきました。その火付け役となったのが、アメリカで誕生し国内ではゴールドウインが商標権を持つ「ザ・ノース・フェイス」です。




ホームページより




“ストリートファッション”としても大人気のノースフェイスは、国内売上高が年間800億円規模にまで成長しているそうで、今ではそのロゴを街中で見かけない日はないぐらいですが、男性だと1着は持っている方も多いのではないでしょうか?




ただ、ここまでノースフェイスを着る人が増えてくると、ファッションにこだわりのある人ほど“街中でかぶりにくい”新たなカッコいいブランドを探し始めるわけです。そうしたタイミングでファッション系のYouTuberたちがこぞってアークテリクスの商品を取り上げ始めた影響もあり「アークファン」が一気に増えたようです。




これら人気需要にどう対応するかは大きな課題になるのですが、アウトドアが盛んな北米市場を中心に販売が伸びているため、日本への商品割り当て量を大幅に増やすわけにもいかない事情があるようです。YouTube効果もありながら、若者の“かぶりにくい”というニーズに「高くても売れる」かつ“品薄”という特別感が、さらに若者の需要を駆り立てているのかもしれませんね。皆さんも是非、注目してみてください。

クオリアメルマガ

最新記事一覧へ