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おとなの夢のコーナー


皆さんはチョコレートの「リンツ」をご存知ですか?チョコレートに詳しくない方でも“綺麗な包みの丸い飴玉のようなチョコレート”を一度は口にしていると思います。私はチョコレートには詳しくありませんが、誰でも知っている“ゴディバ”や“デメル”、私も美味しいと思う“ヴィタメール”…おそらくこれらに並んで日本でもよく知られるのが“リンツ”だと思います。




リンツは、1845年に創業したスイスのチョコレートメーカーです。リンツの偉業は、チョコレート史上初の「なめらかな」「とろける」チョコレートをロドルフ・リンツさんが発明したことです。それまでザラザラとした舌ざわりが当たり前だったチョコレートに、「コンチング」という手法を採用し現在のチョコレートのスタンダードでもある「なめらかな」「とろける」食感を1870年代に取り入れたそうです。リンツの代表とも言えるチョコレートは「リンドール」という商品。リンドールの発売は60年以上前で「シェル」と呼ばれるチョコレートの外殻の中に、なめらかなフィリングを詰めた2層構造のトリュフチョコレートです。このフィリングの口どけのなめらかさがリンドールの大きな特徴です。





リンツの日本法人は、リンツ&シュプルングリージャパンという会社。2010年設立と比較的新しい会社ですが、かなりのハイスピードで店舗を広げ、現在直営店83店舗とオンラインストアで事業を展開しています。なんと業績も好調で2桁成長を続けてきているようです。成長の理由の一つが、“量り売り”という特徴的な販売方法です。フロアの中央にリンドールを山盛りに陳列し、そこから色とりどりのリンドールから好みのフレーバーを選んで袋に詰めていくことができるわけです。




リンドールは22種類のフレーバーがあり、季節ごとの期間限定商品もこの中に加わります。まさに選ぶ楽しさ・喜びの演出ですね。ひと昔前、百貨店の子供のお菓子売り場にチョコやラムネ、駄菓子が山盛りに積まれた陳列場があり、袋詰めできるコーナーを見かけました。その“夢のような楽しい場所”を、リンツは「大人の夢のコーナー」として作り出しているわけです。さらにリンドールはキラキラした紙包みでキャンディのように包まれているので、見栄えもいいですよね。




実はこのような販売方法をとっているチョコレート店は他にはないらしく…リンツの大きな強みとなっているそうです。価格もリンドールは他の高級チョコレート店のチョコレートよりは少し安く、1個あたり110円程度。若い世代も気軽にいろいろなフレーバーを購入することができるわけです。





またギフトとしての需要も高いようです。コロナ禍、チョコレートの業界も少なからず売上の影響を受けたようですが、リンツはオンラインショップを業界の中でかなり早い段階(日本法人の創業後まもなく)で始めていたこともあり、成長を止めずに続けてこられました。さらにオンラインショップで購入したお菓子を贈り物にできる「デジタルギフト」やアプリの構築など、デジタル化にも取り組んできたようで、リアル店舗の楽しさとオンラインでの利便性の両方をうまく活かしたというわけです。




リンツはよく言う「オンライン」で販売して広げるという戦略に重きを置いているだけでなく、オンラインでの接点をきっかけに、リアル店舗に来て楽しんでもらうという動線イメージを考えているようです。その仕掛けが今年の初めに期間限定で開催された「リンドール診断」という企画です。




サイト上で6つの質問に答えると、自身の性格などを全22種類のリンドールのフレーバーに例えて診断し、自分に合うリンドールを選び出してくれるという面白い企画です。そして診断後には、公式LINEにてクーポンが発行され、店頭で提示すればリンドールの人気フレーバーBest5から好きなフレーバーを2つもらえたそうです。色々な仕掛けを行っているリンツがどのような成長をしていくのか楽しみですね。

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