クオリアメルマガ

スタッフを増やすとき何を基準にしていますか?


おはようございます。クオリアの山田です。


 


本格的に寒くなってきましたが、


こんな日は暖かい室内でクオリアのメルマガを


読んでみてはいかがでしょうか。


 


さて前回は、人件費計画の基本的な立て方をお話しました。


今回は1歩踏み込んで、


1つの指標をもとに『人件費』を考えていきます。


 


ぜひ自社と照らし合わせ、


人件費が適切かどうかを判断する材料にしてみてください。


 


それでは「脳レッジ!!」スタートです。

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財務部門「脳レッジ!!」第25回:


人件費計画「労働分配率」


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会社が適正な人件費を算出するための指標のひとつに、


『労働分配率』があります。


 


労働分配率とは、会社の売上から変動費を差し引いた


限界利益(粗利)に対する、人件費の割合のことを指します。


※限界利益についてはこちら※


 


計算式にすると、


労働分配率(%)=人件費 ÷ 限界利益(粗利)×100


 


これによって、


粗利に対して人件費がどれくらい占めているのか


がわかる指標です。


 


図にするとこうなります。


スクリーンショット 2017-11-20 18.12.43


 

この労働分配率の基準は業種で変わりますが、

30~60%といわれています。


 


粗利に対し人件費の割合が40%以下であれば優良


40%~50%の範囲で普通


60%を超えている場合理由を考える必要があります。


 


それでは、


この労働分配率を下げ優良に近づけるには


どうしたら良いでしょうか?


 


スタッフの給与を下げる!…というわけにはいきませんから、


1人あたりの限界利益(粗利)を上げる、


つまり1人あたりの生産性を上げることで労働分配率が


下がることになります。


 


この労働分配率をつかうと適切な人件費がみえてくるとともに、


スタッフを増員するときの指標にもなります。


 


 


では次の企業の場合、来期の計画で増員をしてもよいでしょうか?


 


【企業情報】


□社員数:10名


□年間人件費:4,000万(1人あたり平均年収400万)


 



【現状】


年間売上:8,000万円(1人あたり売上高800万)


限界利益率(粗利率):80%(粗利:6,400万)


※労働分配率:62.5%


 


【来期計画】


年間売上目標:10,000万円(1人あたり売上高1,000万)


限界利益率(粗利率):80%(粗利:8,000万)


※この企業が必要な利益を確保するための目標労働分配率:50%


 


それではまず、労働分配率をつかって現状分析から


していきたいとおもいます。


 


【現状分析】


①来期計画の目標労働分配率50%を基準としたとき、


現状の粗利に対する労働分配率50%の適正人件費は、


適正人件費 = 現状粗利6,400万 × 目標労働分配率50%


適正人件費 = “3,200万”


になります。


 


②適正人件費を現状の1人当たりの平均年収400万で割ると、


適正人数 = 適正人件費3,200万 ÷ 現在の平均年収400万


適正人数 = 8名


 


現在の人数が10名ですから、適正人数の8名より、


“2名オーバー”している計算になります。


それでは計画の売上目標を10,000万円にした場合は


どうでしょうか?


 


【計画分析】


①計画粗利8,000万
÷ 目標労働分配率50%


計画人件費
= 4,000万


②計画人件費4,000万
÷ 現在の平均年収400万


適正人数
= 10名


 


つまり、10名に平均年収400万を支払っている状況で


売上計画1億円に対して増員をすると、生産性が下がり、


利益を圧縮することになります。


 


 


 


それでは、どうすれば増員できるでしょうか?


 


①売上を上げる


②粗利率を改善する


 


増員するスタッフの人件費の増額分に対して、


労働分配率が50%になるようにすれば、


利益を確保した上で、増員をすることができます。


 


それでは、


年収300万円のスタッフ1名を増員したい場合、


①売上高はいくら必要でしょうか?


②粗利率を改善する場合、何%必要でしょうか?


また次回お話しいたします。


 


 


人材は人財といわれるように、人の採用は投資でもあります。


人材の確保が困難といわれている中で、自社の数値を分析し、


将来の展望を予測しながら計画していくことが重要になります。

 


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