労働分配率②『年収300万の方を採用するには?』
おはようございます。クオリアの山田です。
前回、人件費を考える上で
「労働分配率」がひとつの指標になることを
お話させていただきました。
今回は労働分配率を基軸として、人に投資する場合に
どうしていくかを考えていきたいと思います。
前回までの復習はこちら
それでは「脳レッジ!!」スタートです。
-------------------------------
財務部門「脳レッジ!!」第26回:
人件費計画「労働分配率」②
-------------------------------
さて前回“第25回”にてお題とさせていただきました、
問題はわかりましたでしょうか?
労働生産性(労働分配率)を下げずに新たに
人を採用するにはどうしたらいいか。
<問題>
=====================================
売上高1億円、限界利益率80%
社員10名(平均年収400万)、労働分配率が50%の企業
※戦略会計ストラック図①参照
『年収300万のスタッフを労働分配率50%を基軸に
利益を圧縮することなく増員するには?』
=====================================
前回お話しましたが、以下の2つの方法があります。
①売上を上げる
②限界利益率を上げる
それでは解説をしていきたいと思います。
①売上高をいくらにすればよいか
以下ストラック図※②に、人件費300万を加えてみる
人件費が4,000万から4,300万に増えます。
労働分配率(労働生産性)を50%と変えないとすると
限界利益が、
人件費4,300万
÷ 労働分配率50%で
“8,600万”になります。
その他固定費を一定の3,800万としたとき、
利益も+300万になります。
固定費と利益をまかなうための必要売上高は、
『(固定費+利益)÷限界利益率』で求めることができます。
(固定費+利益8,600万)÷ 限界利益率80%
=必要売上高 10,750万
つまり、労働分配率を基軸として考えたとき
年収300万の方を増員しようとすると
A:売上高を1億750万円上げる必要があります。
では、
②売上高は1億円のまま限界利益率(粗利率)
で改善する場合は、何%必要なのか?
戦略会計ストラック図※③にしてみると、
②と同じく、労働分配率を50%とした場合の
人件費に対する限界利益は8,600万ですので
売上高に対する限界利益率を求めると、
限界利益8,600万
÷ 売上高10,000万
×100
=限界利益率 86%
売上高をそのままに限界利益率で改善しようとすると、
A:86%にする必要があります。
つまり、6%の原価の圧縮方法を考えなければなりません。
このように人を増やす(投資する)ためには
どうしていくべきかの計画も考える必要があります。
今回はあくまで“労働分配率”を基軸として考えてみましたが、
様々な数字を分析していくと、
他にも考えるべきポイントがあり、注意が必要です。
詳細は、弊社『財務塾(全5回)』でやさしく勉強できますので
是非お声かけください。
※財務塾4期目の次回日程は、
2018年3月9日(金)~を予定しております。